全国愛鳥教育研究会 副会長 島田 利子
1.第一次審査会
日時:平成30(2018)年10月22日(月)午後1時30分~3時30分
場所:セシオン杉並3F(東京都杉並区)
審査対象:小学校 12校、中学校 2校、中学校・高等学校 1校、団体 3件
合計15校と3件
この中から10の学校・団体を選び、本大会にて活動発表が行われる。
〈第一次審査〉
審査員(敬称略)
環境省 西山 理行
環境省 北橋 義明
文部科学省 藤枝 秀樹
林野庁 志摩 克
山階鳥類研究所 平岡 考 (鳥類)
東京学芸大学名誉教授 北野 日出男(昆虫)
生物教育研究所 片山 舒康 (植物)
北里大学海洋生命科学部 林 公義 (魚類・両生類)
全国愛鳥教育研究会 島田 利子 (愛鳥教育)
日本鳥類保護連盟 市田 淳子 (鳥類)
◆小学校の応募都道府県
群馬・埼玉・東京・新潟・静岡・愛知・富山・福井・愛媛・鹿児島×3
◇小学校 実績の活動対象
昆虫類(ヒメギフチョウ) 植物(サワトラノオ) 愛鳥活動
鳥類(ブッポウソウ・コウノトリ他) ほ乳類 両性類
魚類(アマゴ・リュウキュウアユ・トミヨ) は虫類(ウミガメ)
◆中学校の応募都道府県(新潟・愛知)
◇中学校 実績の活動対象
魚類(カワバタモロコ) 鳥類
◆中学校・高等学校(埼玉)
◇中学校・高等学校 実績の活動対象
植物(インドオオイシソウ)
第一次審査として各都道府県から応募があった中から本大会に参加できる10の学校・団体を選出した。
〇小学校(5):東京・富山・福井・愛知・群馬
〇中学校(1):愛知
〇高等学校(3):北海道・石川・大阪
〇団体(1):滋賀
2.第53回 全国野生生物保護実績発表大会
日時:平成30(2018)年11月26日(月) 午前10時30分~午後5時
場所:中央合同庁舎5号館 2F講堂(環境省)
野生生物保護の成果について児童・生徒が発表した。
〈結果〉
〇環境大臣賞 福井県 小浜市立国富小学校
「コウノトリが舞うふるさと国富をめざして」
50年前に一度いなくなったコウノトリが再び定住することをめざして5年生が環境学習に取り組み地域の協力を得て進めているが、学校は本年度で閉校となる。閉校後は地域住民の一人として活動を継続していきたい。
〇文部科学大臣賞 愛知県 岡崎市立生平小学校
「守ろう!野鳥がすむ生平 ~野生生物保護活動を通して~」
昭和57年に県の愛鳥モデル校の指定を受けたことから自然を大切にする心、ふるさとを愛する心を身に付けたいと考え活動を続けている。愛鳥活動を軸にした環境保全活動、ツバメ営巣調査、給餌活動、ビオトープの整備、愛鳥ギャラリー、愛鳥検定の見直し、ウォッチングカードの見直しなどを継続している。
〇文部科学大臣賞 大阪府 府立富田林高等学校
「富田林のゲンジボタルを回復させるには」
ゲンジボタルの生息状況を調べ、農地の急速な宅地化が激減の原因となったこと。また、カワニナの生息を調べ、川の増水時の流速に耐えられる環境が必要であることが分かった。しかし1980年代の護岸化で状況が変わった。再生活動として校庭のビオトープで増殖に取り組んだがまだ課題が多く、ゲンジボタルの乱舞の回復を目指している。
〇林野庁長官賞 群馬県 渋川市立津久田小学校
「ヒメギフチョウとの絆を大切にする地域の学校を目指して」
県指定天然記念物「ヒメギフチョウ」絶滅の危機から守るため、平成7年から地域や関係者と協働して取り組んだ。4年生を中心に観察会や保護活動を行い、全校児童の前で発表し、広めた。6年生は4年生が拾ってきたドングリを育て、雑木林の環境づくりに貢献。今後も継続し努力していく。
〇林野庁長官賞 東京都 福生市立第五小学校
「50年間続く愛鳥活動 ~親しむ 知る 守る 活動を通して~」
「野鳥を愛し、自然を守ることの大切さを忘れない児童を育てたい」と地域を含め日々の活動をしている。低学年の親しむ活動、中学年の知る活動、高学年の守る活動を通して観察会、巣箱かけと観察、愛鳥博士テストなど、愛鳥モデル校として46年、愛鳥活動を続けて50年となった。今後も継続していく。
〇公益財団法人 日本鳥類保護連盟会長賞 富山県 舟橋村立舟橋小学校
「あきらめたら夢はかなえられない」
ホタルがたくさん飛びかうための環境づくりに取り組み、畑の一部を借りて餌を増やす、水辺の草を増やす、小川の環境を整える各グループが活動。「ホタルにやさしい街灯」を考えた。また、用水路の泥を取り除くなどの努力をしている。
〇環境省自然環境局長賞 石川県 県立津幡高等学校 朱鷺サポート隊
「トキの保護の普及・啓発活動 ~トキと人が共に暮らせる「朱鷺の里」の再生を目指して~」
平成20年11月1日開校記念日の村本義雄氏を迎えての講演会を機に総合学科「花と緑」系列の生徒を中心に朱鷺サポート隊を結成。いしかわ動物園で「トキの学習会」を行っている。佐渡トキ研修会に参加。啓発活動として幼稚園や保育園、佐渡や豊岡のコウノトリ文化会館で披露した。里山保全には地域も取り組み、地道に続けている。
〇環境省自然環境局長賞 滋賀県 ぼてじゃこトラスト
「楽しく遊び、学ぶ自然体験教室&イチモンジタナゴのタライミニ繁殖実験」
2007年より滋賀県の絶滅危惧種イチモンジタナゴ100匹を譲り受け、現在は数千匹を保育。休耕田を利用して「ぼてじゃこ池」をつくり、色々な体験を行っている。タライでの飼育方法を工夫して、増やすことができた。
〇公益財団法人 日本鳥類保護連盟会長褒状 愛知県 岡崎市立東海中学校
「東海の自然を未来へ ~地域と協力して、残された自然を守り、伝える~」
学区の中での環境の変化によりサルやイノシシ被害などが起こり、これらの状況から、保護・繁殖活動、河川調査、地域との連携、広報・啓発、自然に戻す、それぞれの活動に取り組んだ。特にカワバタモロコについては保護活動に努力した。今後、自然に戻す活動として放流できる池を探す。そして学区外にも周知していく。
〇公益財団法人 日本鳥類保護連盟会長褒状 北海道 常呂高等学校
「ワッカ原生花園でのガイドボランティア活動」
ワッカ原生花園の魅力を多くの人に伝えたいとの思いから「ガイドボランティア」の活動が始まった。パンフレットを作ったりネイチャーセンターに展示をしたりした。そこでのガイドは、平成20年の時は100名近くいたが現在は31名となった。今後はタブレットを使いレクチャーをしたり外国人のためのパンフレット作ったりしていく。また英語でのガイドにもチャレンジしていく。
大会記録は、公益財団法人日本鳥類保護連盟の当該ページからダウンロードできます。